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平尾誠二さん訃報に接して。2016.10.21

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テレ朝news on Twitter: "平尾誠二さん(53)死去 ラグビー元日本代表 https://t.co/mMxLQepIdj"

 

ラグビー経験者の僕としては、声をあげて驚いた。

残念としか言いようがない。

 

 

僕は高校3年間、ラグビーをやっていた。

初めて「やらされている」という感じがしなかったスポーツだった。朝練も嫌々行ってない、タックルで傷だらけになっても、その上に傷を重ねて作っても、ダミーやチームメイトを倒しては、また立ち上がった。その傷は今でも手に残っている。確かにチームメイトと喧嘩はした。意見が合わない、妥協してるのかとか、とにかく喧嘩した。それも強くなりたかったからだと思う、今となれば。

嫌々やってなかったと断言できるのは、煽てて褒めてくれる先輩がいたからだった。認められたくて、褒められたくて、走って、楕円形のバウンドに合わせて、また走って、タックルしたのだった。

そんな時に平尾誠二さんは日本代表の監督だった。

あの当時、僕は始めたばかりのラグビーという競技に夢を抱いていたし、ルールや社会人ラグビーのチーム、大学の選手名を知ることも新鮮だった。

高校2年の時だったから、1998年だったと思うけど平尾ジャパンが秩父宮でアルゼンチン代表と対戦した。スタンドオフには岩渕さん、センターにはマコーミック選手、元木由紀夫選手、ウィングには大畑大介さんやツイドラキ選手がいた時代だ。ハーフは村田亘さんだったかもしれない。僕はフランカーだったけど、エイトをやりたかった。明大の斉藤裕也に憧れていたのだった。

アルゼンチン戦の日、僕はバックスの同級生と一緒に、浪人していた先輩を呼び出して3人で平日の昼間、見に行った。

もちろん、学校は抜けて行った。

試合はジャパンが勝った。ラグビーを生で見るのは初めてじゃなかったけど、岩渕さんの意表をつくドロップゴールは今でも覚えている。マコーミックの声がかなり大きかったし、伊藤剛臣選手のファンがたけおみー!と絶叫したのは多分あの試合だったか。

試合中にオーロラビジョンにはサッカー日本代表監督の岡田さんが映し出されたりした。その中でも平尾監督はやはりハンサムだった。当時はウェールズワールドカップのアジア地区予選前の強化試合だったと思うし、翌年には国立競技場にスペイン戦も見に行った。

平尾ジャパンが僕の青春の時だった気がする。

1999年のウェールズワールドカップのウェールズ戦の昼間、僕は高校3年間での最後の試合を戦ったと記憶している。一回戦は春に惨敗したチームに対して、雪辱を果たしたけど二回戦は油断していたのか、日程のおかげで下見も出来て、万全にして臨んだのに負けてしまった。そういえば1回戦の時は付き合っていた女の子を呼んだっけか。

とにかく、負けたその夜、チームメイトの家でワールドカップを観戦した。だが、ジャパンは惨敗した。大畑さんがトライしたのは覚えているけど、惨敗した。あの時、平尾監督はスタンドで呆然としていた。

 

僕は引退した後、3ヶ月ほど卒業した高校のチームをコーチしたことがある。その時、平尾ジャパンのドキュメンタリービデオを毎日のように見ていた。アジア予選の密着ドキュメンタリーだったと思う。練習風景やインタビューなど盛り込んでアジア予選突破まで描かれたものだった。ビデオの中で平尾監督はリズムが大事だと言っていた。連続攻撃などの練習を真似したこともあった。コーチしていたときには後輩の学生にもそのビデオは見せた。

僕にとって、素晴らしいお手本だった。本を読んだ記憶があるけど、ミスターラグビーと言われていても天才肌という人ではなかったように思う。特にラグビーは天才やヒーローが脚光を浴びるスポーツではない。だからこそ、仲間やチームのことを人一倍考えていた人だろうなと思う。ひいてはラグビー界、そして日本のスポーツについて、考えていらっしゃっただろう。

 

19年の日本ワールドカップが見られないのはとても残念だと思う。

日本は大事なスタンドオフを永遠にそして、突然に失った。大事な司令塔だったのに。

 

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あとがき。

今日は残念ながら訃報について、自分の経験や想いを書いたわけだけど、あらゆる事柄について自分が経験したことを絡めて、自分の視線を通して書けるのかもしれないと思えた。「私ノンフィクション」と言えばカッコイイがただの独り言かもしれない。こう思えたのも最近、森達也さんの著作を読んでいるからかも知れないし、曲がりなりにも毎日ここに何らかの形で書き残しているからかも知れない。ほんとは書く人になりたかったわけだから、もっと書き続けたいんだけど。

 

 

いや、書けばいいじゃないか。

失うものはなにもない。

いや、時間はどんどん無くなるから、

もっと自由に書けばいいのか。